発表当初からこれは求めていたレンズ……!と思っていたTAMRONの20-40mm F/2.8ですが、発売日には入手できずに少し経ってからようやく入手できました。
さて、理想のレンズに仕上がっているのか、早速使って試してみることにしました。
のんびりしてたら発売日に確保できなかった
このレンズが発表されたのは2022年8月のこと。この時点で20mmの単焦点レンズに思っていた不満点が解消されていて「欲しい」と思っていました。
その後予約が開始されて、価格は87,120円と期待していた「10万円以下」ということで想定内だったのですが、予約を発売2日前とかにしてしまった結果、発売日には間に合わずに2週間後になってしまいました。
欲しいものはさっさと予約しておくべきだなとは思いつつ、個人的には遅れたおかげで支払いを10%還元中のイオンカードに差し替えられたのは良かったかもと思っていたり。
そんなわけでようやく届きました。さっそく開封してみていきたいと思います。
20-40mmという絶妙な焦点距離のレンズ
今現在持っているレンズは以下の3本。その状態で新しくこの20-40mm F/2.8を購入したのには理由があります。
- TAMRON 20mm F/2.8 (F050)
- TAMRON 28-75mm F/2.8 (A036)
- SONY 85mm F/1.8 (SEL85F18)
広角28mmでは狭いと思うことが増えた
そもそも最初はTAMRON 28-75mm F/2.8 (A036)のみを使っていました。いわゆる便利ズームというレンズで、1本あれば何でも使えるという思いで購入した記憶です。
それで旅行からポートレートなどを撮っていたのですが、風景ホテルの写真を撮影する際に、撮れる範囲が狭いなと悩むことが多くなりました。
そしてその後、20mmのレンズを購入して旅行時に持参すると、軽さや広角の加減も有って良い感じに。あとポートレート用に85mmを買ったらこのレンズは全く使わなくなってしまった……。
20mm F/2.8 F050の欠点に気づき始めた
そうして20mmの単焦点を購入したのですが、しばらく使うと不満に思ってくることがありました。
- 20mmだと広角過ぎて自分自身が陰になることがある
- 列車などが来るときに撮るとピントが間に合わない
- 動画撮影中にピントを合わせるカタカタ音が気になる
まずは広角ならではの問題なのですが、上に光源があったりするとカメラによって被写体が陰になってしまうこともあり、料理などで気になることがありました。「もう少し望遠ならなぁ」と思うことも多くなり、APS-Cモードを多用してしまう自体に。
次に列車に限らず迫ってくる被写体なのですが、広角だと寄せてから撮らないと被写体が小さくなってしまいます。でも寄せすぎてピントが間に合わず……という問題が多く発生してしまいました。
最後に音なのですが、F050は静止画は良いのですが動画の場合にAFにしておくと、カタカタとピントを合わせる音が動画に入ってしまうのが気になりました。
そのため、MFにして撮影をしていましたが、それはそれで面倒なのも事実です。
そんな不満がちらほら出てきた中に登場したこのレンズが、私の不満を無くしてくれそうという商品でした。
開封
当初の予定よりも早く到着。届いて数日放置していたのですが、持ち出す用事もできたので開封していきます。パッケージは最近のタムロンのパッケージと同じくシンプルなデザインです。
付属品はレンズカバーとレンズキャップ、そしてレンズフード。フードって基本付属してくるんですが、買うと結構するんですよね……。
側面にはAF/MFのスイッチは無いのですが、USB-C端子があります。これはパソコンとつないでファームウェアのアップデートなどを行うために使用するポートで、別途機器が無くてもアップデートが可能なことが特徴になっています。
望遠→広角というのは慣れが必要そう
多くのレンズって一番短い状態が広角で、そこから回して望遠側にするというのが基本だと思います。でもこのレンズは望遠側が短くて、広角にするときに回すという仕組み。
そのため当初は広角で撮ろうとしたけどファインダーを覗いたら望遠側になっていたということが結構多発してしまいました。これは慣れれば気にならなくなるとは思いますが、最初は戸惑う点だと思います。
単焦点に比べれば長さや重さは増えるけど許容範囲
元々持っていた20mm F/2.8(F050)と大きさや重さを比較してみました。まずは長さですが、スペック上では22.5mmの差となり、少し長いかなという印象です。
続いて重さ。今回は通常使うレンズフィルターを装着した状態で計測してみましたが、140gほど重くなりました。カメラに装着して首からかけると、「あっ重いな」とは思いますが、首が痛くなるほどではありません。というか20mmが軽すぎるだけな気がします。
20mm F/2.8 (F050) | 20-40mm F/2.8 (A062) | |
焦点距離 | 20mm(固定) | 20-40mm |
明るさ | F/2.8 | F/2.8 |
レンズ構成 | 9群10枚 | 11群12枚 |
最短撮影距離 | 0.11m | 0.17m(20mm時) |
最大撮影倍率 | 1:2 | 1:3.8 |
フィルター径 | Φ67mm | Φ67mm |
長さ | 64mm | 86.5mm |
重量 | 220g | 365g |
対応マウント | ソニーEマウント | ソニーEマウント |
なおスペックは上記の通り。20mmの単焦点に比べると接写性能が少し落ちていますが、絞りなどはF/2.8で変わらずで同じように使えるレンズとなっています。
実際に撮影
それでは実際にカメラに装着して撮影してみることに。なお載せている写真の他、2022年11月13日以降の旅行記は多くの写真をこのレンズで撮影しています。
なお使用しているカメラはSONY α7RIIIで、3年前に中古で購入したもの。まだまだ現役バリバリです。
山中をドライブしていたときに見かけた枯れ木。比較として元々持っていたF050でも撮影してみました。
どちらも色味などは同じように出てくる(補正もあるだろうけど)ようで、大きな差異は感じられません。
ハイキングコースの途中にあった看板。こちらも言われないとどっちかはわからない感じです。ちなみにここは越生町の日照水という湧き水のある場所。
先程の看板から後ろを向いた状態。ダイナミックレンジとかも違いを感じられないかな?という印象です。
場所を変えて木の実。色味がちょっと違うのですが、これは日暮れによる凄い明るさの差による気がします。
全体的に画質という面では大きな差異は感じられなかったのですが、大きな差を感じたのはオートフォーカスの速度と精度。F050では遅くて迷いのあるような場所でも一発で合うことが多かったです。
動きのある被写体などを撮影するときは、速度と精度が重要となってくるのでこの点に関しては良かったです。
過去の旅行記からの引用ですが、色々撮影した写真を載せてみました。広角での画質も良いのと、40mmというズーム距離も料理などを撮るときには便利に使えています。
品薄になるのもわかる使い勝手の良いズームレンズ
私は発売日は逃したものの比較的早期に入手することができたこのレンズですが、発売からしばらく経過している2022年12月現在でも品切れが多発しています。
軽く見た限りでもヨドバシカメラやビックカメラ、カメラのキタムラなど大手でもお取り寄せ状態となっていました。(Amazonにはあるけどプレミア価格になってるし)
なのでぜひ買ってみて……!となかなか言いにくいのは難点ですが、今まで使っていた20mmの不満点を解消してくれたこのレンズ、末永く使っていきたいと思います。
しかし最初に買った28-75mm F/2.8 A036、全く使わなくなってしまったので売ろうかな……。