特に困っていないのに新しいモバイルルーターって欲しくなりますよね。今回はWiMAX +5G向けとして出ていたけども、SIMフリーで他社SIMでも使えてeSIMにも対応! というロマン感じるモバイルルーター「HYBRID Wi-Fi 5G NC03」を買ってみました。
実は買ってからしばらく使っていて「書かないと」と思い続けて早数か月。気になる点はありつつも、便利に使えているモバイルルーターです。
WiMAX向けに出てきた謎のモバイルルーター
今回紹介する「HYBRID Wi-Fi 5G NC03」はもともと「カシモWiMAX」や「Broad WiMAX」向けに提供されているモバイルルーター。製造元は光通信の関連会社の「ネットワークコンサルティング」で、以前にはWiMAX端末「Mobile Cube」「Mobile Slim」を製造販売していた会社です。
そんな会社が作った「HYBRID Wi-Fi 5G NC03」なんですが、日本初のWi-Fi7対応だったり物理SIMやeSIM、クラウドSIMにも対応しているなどと機能をマシマシにしたモデル。WiMAX +5G向けとしてはオーバースペック過ぎる気がしますが、おそらく単純な「SIMフリーのモバイルルーター」ではなく「WiMAX +5Gのルータ」として販売することで、安定的な販路を確保する目的があるのだと思います。
充実すぎるスペック
WiMAX +5G向けのモバイルルーターでは、基本的にauの対応バンドに合わせたスペックとなっていることが多い印象です。一方でHYBRID Wi-Fi 5G NC03は他社の対応バンドも幅広く対応しており、ドコモのN79も対応。auだけではなく、ドコモやソフトバンクのSIMでも快適に利用できるスペックとなっています。
また、Wi-Fi 7にも対応していることで「6GHz帯」が利用可能。屋外でのDFSを回避することができるほか、混戦を避けることができるメリットがあります。なんだか「僕の考えた最強のモバイルルーター」を具現化したような機器に仕上がってるな……ってのが第一印象です。
また面白い所ではクラウドSIMやGPSにも対応しています。クラウドSIMは事業者と契約しないとならないようなので白ロムでは有っても無くてもって感じだけどね。
| 製品名 | HYBRID Wi-Fi 5G NC03 |
| SoC(CPU) | Qualcomm SDX72-0, SDR875 |
| ディスプレイ | 2.8インチ タッチTFT液晶 |
| 対応通信規格 | 5G(SA対応)/4G |
| 最大通信速度 | 5G:下り3.5Gbps / 上り286Mbps 4G:下り1.2Gbps / 上り75Mbps |
| 対応バンド (5G) | N1/2/3/5/7/8/12/20/28/38/41/77/78/79 |
| 対応バンド (4G) | B1/2/3/5/7/8/12/17/18/19/20/26/28/38/41/42 |
| アンテナ構成 | 5G:4×4(n1/3/7/77/78/79) 2×2(n28) 4G:4×4(B1/3/7/41) 2×2(B2/5/8/18/19/20/26/28) |
| 対応SIM | Nano SIM×1、eSIM×1(DSDS対応) |
| Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax/be(Wi-Fi 7対応) |
| Bluetooth | 非対応 |
| 外部端子 | USB-C |
| 防水 | 非対応 |
| バッテリー容量 | 5,000mAh ※PD充電対応 |
| サイズ | 140×74×17.8mm |
| 重量 | 約225g |
| その他 | クラウドSIM対応、GPS対応、国際ローミング対応 |
外観・スペックレビュー
まずは外観の紹介なんですが、一言で言うと「大きい」です。比較のためにFS050W(左側)とiPhone 17(右側)に並べてみましたが、サイズ感としては一回り小さいiPhoneって感じ。バッテリー容量などからも仕方ないとは思うけど「持ち運びしやすい」かと言われると怪しい。4G時代のルーターのサイズ感に5Gがなることはあるのでしょうか。
ちなみに今回入手したものは無地でしたが、カシモWiMAXのモデルは刻印があるみたい。

背面はIMEIとQRコードのみとシンプル。なお技適マークはGUIから見ることが可能です。蓋の取り外しは出来ず、バッテリー交換もできません。

右側面にはSIMカードスロットとリセットスイッチがありました。

左側面には電源ボタンと製品ロゴ。ところでNC03って以前のWiMAX端末から3代目だから03なのかな。

底面にはUSB-Cポートがあります。充電ができるほか、別売のクレードルを装着するときにも利用します。なお充電はPD対応で急速充電が可能。

操作しやすい本体GUI
基本的な操作はタッチパネルのGUIにて操作が可能です。NEC製の5GルータやFS050Wなどタッチパネル非搭載の機器もあるけど、やっぱり直観的な操作ができるタッチパネルのほうが良いと思います。
まずは待ち受け画面。電波強度やSIMの種類(アイコンでわかる)に時間やデータ通信量が見られます。なおWiMAX +5GのSIMを挿し込むと「スタンダード」「プラスエリア」のアイコンも表示されるようです。

各種設定画面は大項目を開いて個別に選択するスタイル。なぜか全部をズラッと出して使いにくい「DOCK 5G」からすると使いやすい印象です。

通信設定。SIMカードとクラウドSIM、eSIMの切り替えの他、APN設定やWi-Fiの周波数設定が可能です。なおeSIMの設定はWebGUIからQRコードか「SM-DP+アドレス、アクティベーションコード」を入力して有効化する仕組み。ドコモの不便な確認コード方式は使用できないので、ドコモSIMを使いたい場合は物理SIMを利用しましょう。


システム設定ではバッテリーを長持ちさせるための「ロングタイム充電」を有効化できます。有効化すると70%で充電がストップするため、家などで充電器を付けっぱなしにするのであれば有効化しておくのが無難でしょう。

WebGUIはシンプルだけど色々設定可能
続いてはWebGUIの簡単な紹介。ログインするとネットワークの接続情報が色々出てくる管理画面が表示されます。個人的には無線のパスワードはマスキングしてくれると嬉しいけど……本人しか開かないからってことかな。

プロファイルの設定画面。切替自体は本体側で可能だけど、APN自体の設定はWebからの実施が必要です。

Wi-Fiの設定画面。SSIDが周波数ごとに設定可能なのだけど、2.4GHzと5GHz / 6GHzのSSIDを同じにすることが不可。その影響でApple製端末で6GHzを接続した際に「互換性の警告」が表示されてしまうようです。技術的な制限じゃないのであれば、全SSIDを同じ名前で登録させてほしいなって気持ち。

なお無線は「2.4GHz」「5GHz」「6GHz」と「2.4GHz+5GHz」「2.4GHz+6GHz」で利用することが可能で、「5GHz+6GHz」の組み合わせでは利用できないようです。

実際に使ってみて
モバイルルーターの気になる点といえば「通信速度」「バッテリー持ち」「発熱」辺りになると思うんですが、通信速度は回線の種類や時間によって大きく変わるので割愛。とはいえ数百Mbps程度の速度は出るし、遅いと感じることはありませんでした。
続いてはバッテリー持ち。これは想定以上に良くて驚いた点ではあるのですが、ロングタイム充電をオンにしていても約8時間、オフにしている場合では15時間ほど利用可能でした。常にスマホなどを接続して通信をしている状態でこれくらい持ってくれたので、モバイルルーターの充電持ちとしては優秀なほうだと思います。
| ロングタイム充電オン(約70%) | 約8時間 |
| ロングタイム充電オフ(100%) | 約15時間 |
また発熱はめちゃくちゃってほどではないけども、バッグなどで熱がこもる場所だとある程度熱さは感じました。それでもNECのX11などに比べると抑えられている印象だし、想定の範囲内って印象です。スペックもりもりなので心配していた2点は合格点ではないでしょうか。
国際ローミングも利用可能
デュアルSIMな5GモバイルルーターのFS050Wでは非対応な国際ローミング。HYBRID Wi-Fi 5G NC03では問題なく利用可能です。ahamoなどの海外ローミングが無料のSIMを入れて使うにも良さそうですね。
ところでeSIMが使えることからKlookのeSIMを入れてみたんだけど、アクティベーションは出来てもAPNの設定の問題か通信ができず。台湾でいろいろなAPNを試行錯誤してもダメでした。素直にスマホで使うのが無難かな。

バグっぽい? 気になる点もちらほら
ここまで特に大きな問題点もなく良いルータだなと思って使用していたのですが、使っていく中でいくつかバグのような動きが見えたので紹介。特に2つ目はあんまりよろしくないような気がします。
物理SIMの通信量カウントがおかしい
これは物理SIMなのかドコモだからなのかは不明ですが、キャリア側の通信量と端末側でカウントされる通信量に大きな剥離が生じていました。端末側では48.36GBを使用したと記載されている状態でキャリア側の通信量を見ると、半分ほどの24.52GBしか使用していないとの記載。何回か試してみても端末側が過大にカウントされる状況となっていました。
一方でeSIM側のpovo2.0は大きな剥離はなく、物理SIMのドコモ側だけが多くなってしまう状況でした。いったい何でこんなことになってるのかは謎だけど、地味に気になるポイントです。


「W56」から勝手に「W52/W53」に切り替わってしまう
Wi-Fiの5GHz帯は基本的に屋外利用は不可となっており、例外的にW56かつDFSでレーダーの影響がない場合では屋外利用が可能となっています。「HYBRID Wi-Fi 5G NC03」でも屋内用の「W52/W53」と屋外用の「W56」を切り替えて利用ができるようになっているのですが、なんだか勝手に「W52/W53」に切り替わっていることがあるようです。
電源を付けた時にすぐにスマホなどで電波を受信して「あれ」と思ってみると切り替わっているって状況なんですが、明確な条件などは不明。おそらく電源オンオフや再起動などの何かがトリガーとなっているように思えますが、意図せず切り替わり屋外で「W52/W53」を使用すると電波法違反になってしまうので、ちょっと何とかしてほしいなって感じてます。
サイズさえ許容できれば便利に使えるモバイルルーター
今回入手した「HYBRID Wi-Fi 5G NC03」ですが、デュアルSIMや6GHzにも対応するなどハイスペックかつ、電池持ちも良好という優秀なモバイルルーターだなって印象を受けました。普段は楽天モバイルを使いつつ、電波が悪いときにはpovo2.0に切り替えるなどの使い方も1台で完結するし、海外ローミングも使えるのも好印象。
WiMAX +5Gのルーターとして提供されていることから、中古価格も15,000円程度と手が出しやすい価格になっているので、高性能な5Gモバイルルーターが欲しい人にはおすすめできる1台です。
一方で気になるバグもあるので、今後のソフトウェアアップデートにて修復されることを期待したいですね。ところで接続バンドの表示やバンド固定機能もできたら欲しいなと思ったり。


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