先日ChangeSPOT Wi-FiというクラウドSIMを使ったWi-Fiサービスを紹介しましたが、その際に端末の貸与を依頼していました。
今回端末をお借りすることができたので、簡単にレビューしていきたいと思います。

GlocalNetの最新クラウドSIMルーター「NA01」
レンタル充電付きWi-Fi新登場!|CHARGESPOT Wi-Fi
今回お借りできたのはChangeSPOT Wi-Fiで提供される「NA01」という端末で、GlocalNetという会社が販売している最新ルーターです。
元を辿るとクラウドSIMのサービスを提供しているuCloudLinkの子会社であるGlobalmeが販売している「DuoTurbo」という機種であると思われ、OEMとしてロゴなどを変えているようですね。
GlocalMe DuoTurbo | Always Better Connected
開封&外観チェック

パッケージはシンプルな白いデザイン。最近は充電器などは同封されないことが多いので大きくなくて良いですね。

パッケージの内容物です。簡易取説の他、SIMピンとUSB-AtoCケーブル、そしてNA01本体となっています。

クラウドSIMのルーターは画面がなかったり大きかったりという印象があったのですが、本機はモバイルルーターらしい形に。重さも148gと軽量です。


上面と下面です。上面にはSIMスロットと電源ボタン、下面にはUSB-Cの端子が搭載されています。

SIMスロットはnanoSIM対応。クラウドSIMと切り替えて利用可能なので、povoなどの基本料無料のSIMを入れておけば緊急用に使えそうです。

電源を入れるとメニューが表示されます。ディスプレイはタッチパネル対応で簡単に操作が可能です。


メニュー一覧。設定としてはSSIDの設定が可能な程度で、あれこれ細かく設定できるわけではないようです。またWebUIは搭載されていませんでした。

SIMを入れた場合は、SIMカード管理から切り替えることが可能です。APNは手動で入れることが可能となっていました。
スペック
続いてスペックをチェックしていきます。クラウドSIMで世界で使うことを想定している機器のため、バンド対応は多くなっています。
製品名 | GLOCALNET NA01 |
チップセット | QUALCOMM QM215 |
ディスプレイ | 2.4 inch QVGA(240*320) タッチパネル |
対応通信規格 | 4G/3G |
対応バンド (4G) | B1/2/3/4/5/7/8/9/12/13/17/18/19/20/25/26/28/34/38/39/40/41/66 |
対応バンド (3G) | B1/2/4/5/6/8/9/19 |
最大通信速度 | DL 150Mbps / UL:50Mbps |
対応SIM | nanoSIM*1 |
Wi-Fi | IEEE802.11 b/g/n |
Wi-Fi最大接続数 | 10台 |
外部端子 | USB-C |
バッテリー容量 | 3500mAh |
最大通信時間 | 約12時間 |
サイズ | 126 x 66 x 12.6mm |
重量 | 148g |
バンド対応自体は多いものの、最高速度は求められてないようでWAN(携帯ネットワーク側)は150Mbps止まりな他、Wi-Fiも2.4GHzのみで20MHz=最高72Mbpsという最低限な仕様です。
そのため端末のスペック上72Mbps(20MHzのMIMOなしのリンク速度)以上の速度は物理的にでないため、超高速通信は期待できません。
ちなみにこの製品の特徴である「デュアルモデム」ですが、メインのモデムの通信が悪くなったらすぐにスタンバイ側に切り替わるのでスムーズに使えるという触れ込みです。
実際に持ち出して使ってみた
外観やスペックの確認も済んだところで、次に実際に使ってみて速度などをチェックしてみたいと思います。今回以下の項目をチェックしてきました。
- 接続先キャリア
- バッテリー持ち
- 通信速度
- 安定性(途切れなど無いか)
ドコモ・au・ソフトバンクのネットワークに接続可能
こういうクラウドSIMのルーターって「ソフトバンクにしか繋がらない」ような印象があったのですが、今回試した限りでは以下のキャリアに接続されました。
キャリア | プロバイダー名 |
ドコモ(IIJ) | rev.vmobile.jp |
au | au-net.ne.jp |
ソフトバンク | openmobile.ne.jp |
起動時に最初に繋がるのはソフトバンクというのは何回実施しても変わらなかったのですが、その後状況に合わせてドコモ(IIJ)かauに切り替わることもあるようです。なお今回試した限りではauへの接続が多かった印象でした。
ソフトバンクが圏外な場所で起動すると接続できない模様
ここで気になったのが、最初ソフトバンクに接続するということはソフトバンクが圏外な場所で起動するとどうなるのかという点。今回は「ソフトバンクは圏外+他社は圏内」という場所を見つけて起動してみました。

今回見つけたのはauのみ電波が繋がる場所。来た時までは自動的にキャリアが切り替わってauの電波を掴んでいたのですが、再起動すると10分経っても電波を掴まない状況でした。
ということで、一度起動して通信後ならソフトバンクが圏外の場所に行っても問題ないものの、起動時にソフトバンクが圏外の場所の場合は切り替え先のSIMをクラウド上から取得できないようで、圏外となってしまうことが確認できました。
公称より持つ長時間バッテリー
続いてバッテリー持ちです。公称では12時間となっているので、それくらい持てばと思って朝から付けっぱなし&スマホ接続しっぱなしでチェックしてみました。
すると夜になってもバッテリーが切れることはなく、15時間程度は持つようで、朝から夜まで充電無しで使うことが可能なようです。
通信速度はMVNOのような速度差がある模様
次に一番気になる通信速度です。なおこれは機種の関係ではなく契約先により異なる可能性が大きく、今回は「ChangeSPOT Wi-Fi」として提供されるNA01での速度となります。
なおそもそも頑張っても72Mbpsまでしか出ないので、固定回線以上という高速通信は前提として出ません。これは機種の問題なのでどこの契約先でも変わらない仕様です。
接続先のキャリア(というかSIM?)によって5Mbps~30Mbps程度の速度差がありますが、再起動すれば接続先が変わって速度も改善……することもあれば変わらないことも。なおauに繋がると比較的早い印象です。
通勤電車で使っていたが途切れは無く通信可能
最後に通信の安定性。複数のSIMを使ってネットワークが切り替わる関係で、通信の途切れなどが無いかという心配があったのですが、通勤列車で使っていてソフトバンク→au→IIJと切り替わっても、気になることは無くシームレスに推移しているようでした。
通信エリアは広い分、トップスピードは期待できない
今回は1週間という短い期間での試用期間でしたが、3キャリアの電波を使うことができるために通信エリアは広い分、キャリアアグリゲーションなどには対応していないため、キャリア単体のモバイルルーターに比べると通信速度は控えめだなという印象でした。
とはいえ「使えない速度」ではないほどだったので、選択肢の一つとしては良いと思います。

コメント
どこでもつながる謳い文句なのにソフトバンクが圏外だと実質使えない仕様ってのは、優良誤認の可能性がありそうですね。
他のクラウドWi-Fiルーターとかも同じような動きの気がするので、提供会社と揉めたりしないのか気になりました。
(ソフトバンクが圏外になる場所がだいぶ少ないので、クレームに繋がってないだけですかね?)
なかなか難しい話で、これソフトバンクが繋がる場所→繋がらない場所に移動する限りでは他社に切り替わって繋がっていたのですよね。あくまで起動時にソフトバンク圏外だとダメというだけで。
なので例えば「自宅がソフトバンク圏外」とかなら日々不満が出そうですが、山の中で繋がらなくてもいちいち他社のネットワーク検索なんてしないでしょうから、気にする人も居ないのかもしれません……。