ここ最近はモバイルバッテリーが燃えたみたいな事故が多いこともあって、発表されていた時から気になっていた磁気研究所の準固体電池モバイルバッテリー「HD4-SSMBTC30W10DSBK」を購入してみました。
実際安全性がどこまでかは不透明だけど、軽く使った限りは良さそうな感じです。
そもそも準固体バッテリーとは
まず最初に準個体バッテリーって何ぞやって話なんですが、通常のリチウムイオンバッテリーは電解質に液体を使用しており、その結果としてリチウムイオン電池が過充電されたときに発生する「リチウムデンドライト」がセパレータ(正極と負極を隔てている板のようなもの)を突き破ってしまい、正極と負極がショートすることで発火する危険性があります。
実際「モバイルバッテリーが膨張した」みたいな話はありますが、これは中のガスが膨れているだけなので「リチウムデンドライト」とは別の話。なので膨らんでなくても内部的にヤバいことになっていて、なんかの拍子に発火なんてことも起きるわけです(とはいえ膨張するような劣化状態であれば、中も危険なのはそうなんだけど)。
なおこれは経年劣化だけではなく落下などの衝撃でも発生します。なので見た目としては問題なさそうでも、内部的には……みたいなことが起きていたり。
どちらにしろ電解質が可燃性なので、一度発火すると大ごとになりがちなのが問題点だったのですが、準固体バッテリーではその電解質に難燃性の固体を使用する(一部に液体電解質を含む)ことでリチウムデンドライトの成長を抑制することや、爆発的発火を防ぐことができるという触れ込みです。
とはいえ「全固体」ではないため、絶対に安全ってわけではないので要注意。
外観
まずは外観から。パッケージには大きく「長寿命+超安全」と書かれており、バッテリーの安全性を大きく主張したパッケージとなっています。個人的には「何かあった時」にツッコまれそうだなぁって印象が結構ある。
HIDISC 長寿命+超安全 準固体電池モバイルバッテリー(磁気研究所)

背面には本体の解説が記載されています。MagSafe部分が見えるようになっているのは対応していることをわかりやすくしてそうですね。

側面には詳細のスペックが記載されていますが、個人的に気になったのは利用可能な温度の記載がない点。問い合わせてみたところ、バッテリーからの出力時は「-20℃〜60℃」とのことで、通常のリチウムイオン電池に比べると寒いところや暑い所でも安心して使えそうです。
モバイルバッテリーの性能としては容量10,000mAhで30Wの入出力に対応。これまで他社から出ているモデルは最大20Wほどでノートパソコンには充電できないことが多かったので、30W対応というのは大きなメリットです。
なお注意点として、磁気研究所のモバイルバッテリーは「保証期間が6か月」です。Ankerでは18か月だったりすることを考えると、保証期間が短いことは頭に入れておきましょう。

パッケージを開封すると、中に入っているのは取扱説明書と本体のみ。ケーブルは付属していませんが、色々な長さのが100円ショップでも売っているし好きなのを用意すればいいと思います。

手に持ってみるとこんな感じ。結構詰まっている感が感じられました。

重量は217グラム。公称が220グラムなので誤差の範囲内でしょう。

底面には電源ボタンがあり、押すと電池残量が1%刻みで表示されます。高機能なモバイルバッテリーにあるような出力情報を表示するような機能はありません。
また、この充電器の出力ポートは1ポートのみとなっており、2台の同時充電をしたい場合は「ケーブル+ワイヤレス(Qi)」の組み合わせになります。まあそこまで何台も同時に充電することもないから問題ないかな。

側面にはスペックが記載されています。それにしてもこの「ワイヤレス充電」はQiなのかQi2なのか何も書いていない。書いてないってことは「Qi」なんだと思うので、Apple製品では最大7.5Wの充電になるかと思います(これはAppleの仕様)。

裏側にはスマホスタンドとして使用できるスタンドが付いています。

これをMagSafe対応のiPhoneに使うと、こんな感じに充電しながら横画面で動画を楽しんだりもできるようです。ちなみにマグネットに対応してないスマホだと滑り落ちちゃいました。

スペック
続いてスペックを確認していきます。3.7V換算「10,000mAh」で5V昇圧時の定格容量は「6,000mAh」なので、大体5,000mAhのスマートフォンが1回満充電できるくらいかなという容量です。最近はスマートフォンのバッテリーも大きくなってきているので、この位の容量があると安心ができるかなって感じ。
また出力は30Wまで対応しているので、スマートフォンやタブレットの他にもノートパソコンにも充電可能となっています。なお私の使っている富士通のLIFEBOOKでは30Wでも給電可能だけど、メーカーによっては45W以上などの制限があることがあるので購入前に確認しておきましょう。
| 製品名 | HIDISC 長寿命+超安全 準固体電池モバイルバッテリー |
| 型番 | HD4-SSMBTC30W10DSBK |
| バッテリー種別 | 準固体リチウムイオン電池 |
| バッテリー容量 | 10,000mAh/3.85V(38.5Wh) |
| 定格容量 | 6,000mAh/5V |
| 定格入力 | 5V⎓3A/9V⎓3A/12V⎓2.5A/15V⎓2A/20V⎓1.5A(30W Max) |
| 定格出力 | Type-C:5V⎓3A/9V⎓3A/12V⎓2.5A/15V⎓2A/20V⎓1.5A(30W Max) ワイヤレス:2.5W/5W/7.5W/10W/15W (Type-C+ワイヤレス:20W Max) |
| 充電時間 | 約1時間40分(PD30W充電時) |
| 充放電回数 | 約2,000回 |
| 推奨利用温度 ※メーカー回答 | バッテリーから出力時:-20℃〜60℃ バッテリー充電時:0〜45℃ |
| 本体寸法 | W69×D19×H109mm |
| 本体重量 | 約220g |
| カラー | ブラック |
| 保証期間 | 6か月 |
AVHzY CT-3で実際のスペックを確認してみた
さて、ここからはUSBテスターを使用して実際のスペックを確認してみます。確認に使うのは「AVHzY CT-3」で、いろいろな急速充電の対応状況などを確認できる高機能テスターです。以前は6,000円位だったような気がするけど、いつの間にか9,000円になっててびっくり。
まず最初はUSB-Cポートの急速充電規格への対応状況。公式の記載では「USB PD」にしか対応していないように見えますが、実際はQuickChargeなどの規格にも対応。一応USB PDの規格違反にはなるけども、困ることもないし対応してる方が利便性も高いと思います。

続いてUSB PDの対応状況です。スペック上ではPPSの対応状況は書かれていなかったものの、実際には対応しているようです。PPSに対応することでさらに急速充電できる機種もあるので、対応しているなら書いておけばいいのに……。

ということで実際の対応スペックは以下のようになりました。一通りの急速充電規格に対応していることから、30Wまでの機器であればさまざまな製品を早く充電できるのではないでしょうか。
| 記載のスペック | 実際のスペック | |
| 対応急速充電規格 | USB PDのみ | USB PD, Quick Charge2.0/3.0, AFC, FCP, SCP, MTK-PE |
| USB PDの対応出力 | 5V⎓3A, 9V⎓3A, 12V⎓2.5A, 15V⎓2A, 20V⎓1.5A (30W Max) | 5V⎓3A, 9V⎓3A, 12V⎓2.5A, 15V⎓2A, 20V⎓1.5A (30W Max) 5.0V~11.0V⎓3A (PPS) 5.0V~16.0V⎓2A (PPS) |
それでは充電テスト。まずは最大22Wまでの充電が可能なiPhone 15に充電してみました。結果としては15.61Wの出力となり、問題なくUSB PDでの充電が出来ているようです。

続いて最大25WのPPS充電に対応しているGalaxy S24です。こいらも15.91WとPD給電されていることが確認できました。また端末上で超急速充電を意味するエメラルドグリーンの充電アニメーションが表示されていたため、PPSで充電されているようです。

最後に普段から使用しているノートパソコン「LIFEBOOK U9311/F」を充電してみました。機器自体は最大65Wでの充電が可能ですが、モバイルバッテリーのスペック上26.31W(約30W)での給電となっています。ちゃんと充電ランプも付いているし問題なさそうです。
なお注意点として、PD給電を行いたい場合はボタンを押してはいけません。というのもボタンを押すとワイヤレス充電が動いてしまい、USB-Cからの出力が低くなってしまうようです。最初気づかずに、パソコン充電できない……と落胆しかけてました。

モバイルバッテリーからの充電の次は、モバイルバッテリー「への」充電です。使用するのは5年前に買った磁気研究所の65W出力の充電器。当時としては安かったんだけど、特に壊れることもなく5年以上経っても使えています。

バッテリーへの給電は上限ギリギリの29.69Wでの給電でした。充電中はUSB端子あたりが熱を持ちますが、熱いってほどではないので問題なさそうです。

なお充電中にもワイヤレス(Qi)充電を利用可能なので、1本のケーブルでバッテリーを充電しながらスマホの充電を行えます。速度としてはそれぞれ充電したほうが早いけど、1本しかなかったときに使えると便利だよね。

スペックと価格のバランスが取れた半個体バッテリー
一般的なリチウムイオン電池を使用したモバイルバッテリーに比べると高めだけども、今回紹介した磁気研究所のモバイルバッテリーは定価でも5,500円と半個体バッテリーとしては安めなお値段なのが魅力的です。
軽く使ってみた限りは通常の30W入出力のモバイルバッテリーとして問題なく使用できるほか、発熱なども気にならない程度かなと感じました。とはいえこういうのは比較的長く使用してどうかってのが重要だと思うので、しばらく使った結果などをまた追記していきたいと思います。
参考リンク
HIDISC PD30W 急速充電モバイルバッテリー 10000mAh HD4-MBTCSS10000PD30WCBK(磁気研究所オンラインストア)



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