あれこれ税抜やら税込やらにうるさいことでお馴染み?の私ですが、総額表示の義務化でやっとよくなるかなと思ったらなんかコレジャナイ感が半端ない感じに。
いい加減愚痴も貯まってきたので、まとめて書いてしまおうかなって思います。
全ては消費税の8%への増税から始まった
元はといえば何から始まったのかと思いましたが、消費税の8%への値上げの時だったんですよね。その時に期間限定で義務だった総額表示が一時的に緩和され、税抜価格+税などの表示が許されるようになりました。
そんなわけで多くの小売店は大喜び(?)で98円税込から98円税抜に実質値上げを一気に行っていたような気がします。2%の増税なのに8円近く増えることに。あれ消費税は13%になったんですか?
個別の税込の合計→小計+外税に
また、税抜+税になった店や、そうではなく併記していた店であっても、どんどんと会計が小計+外税方式になっています。これによって店は端数を取れるようになりましたが、消費者からすると余計に合計がいくらなのかよくわからない状況に。
今まで98円表記の物を3つ買ったら294円出せばよかったのに、98円表記の物を3つ買うと店によって税込で294円だったり、個別の合計で315円だったり、小計+外税で317円だったりとバラバラに。
98円(税込) | 294円 ※店頭表示が税込で3つ分 |
98円(税抜) | 315円 ※個別の税込105円を3つと計算 |
98円(税抜) | 317円 ※小計の294円に8%を加算 |
複数購入すると数円値段が上がる
これによって何が起きるかというと、小計+外税の場合特定の金額の物を複数買うと数円金額が高くなるんですよね。例えば98円の場合は以下のようになります。
購入個数 | 計算式 | 合計 |
1点 | 98*1.08 | 105(.84)円 |
2点 | (98+98)*1.08 | 211(.68)円 ※1円高くなる |
3点 | (98+98+98)*1.08 | 317(.52)円 ※2円高くなる |
1つだと税込105円なのに、2つ買うと211円にと1円高くなります。3つだと2円となり、レジ袋代くらいにもなります。そういうことでレジで3回に会計分ければ2円安くなるんですよね。とはいえ有人レジでそんな分割してるのも面倒なので、結局まとめ買いをしないようになっているのですが……。
ローソン・ファミマ | 300円 |
セブンイレブン | 301円 |
わかりやすいのがコンビニ。セブンは小計+外税方式で、ファミマやローソンは個別の税込の合計方式ですが、同じ定価の商品を複数個買うとセブンのほうが数円値段が高くなります。nanacoの還元率とか考えるよりこっちの差額のほうが大きいのでは?と個人的には思っています。
いくら払えば良いのかよくわからなくなる小売店
前述の商品価格の表示や、レジの仕様などによって、レジに並ぶ前にいくら払えば良いのかよくわからなくなっている現状が有ります。消費税増税前(ってか総額表示自体が平成15年くらい?からのようですが)ではわかりやすかったのに、店側が店のことだけを考えてどんどんわかりにくくしているという現状です。
総額表示義務化によって解消……されると思ったら
ここまで書いてきたのも、令和3年4月からの総額表示義務化によって解消するのかなと思ったのですが、なんだかよくわからない微妙な総額表示義務化となってしまいました。逆に悪意のある店も増えたような気がします。
てかどこかのインタビューで総額表示で高く見えるとか言ってる小売店が居たけども、増税時に実質値上げしたのは誰だよと凄いツッコミを入れたくなりますね。
レジの計算方法は結局変わらず
一番面倒に思っているレジの計算方法は、結局変わらずで小計+外税の店がうじゃうじゃ。これさっきの話とは別に、「この商品はいくらなのか」ってのがレシート見ただけではわからず、毎回電卓叩かないとならないのは家計簿などを書いている人にも不便を強いているように思うんですよね。数円ズレるし。
大きな税抜+小さな税込という景品表示法違反店舗が続々
あの……。景品表示法みましたか?ねえって店が多いような気がします。
事業者が消費者に対して価格を表示する場合の価格表示に関する消費税法の考え方(PDF:474KB)まずはこのPDFを見てみましょう。この別添に以下のような文面が有ります。
税込価格と税抜価格を併記する場合、その表示方法によっては、当該表示価格が税込価格でないにもかかわらず税込価格であると一般消費者に誤認を与え、景品表示法第5条により禁止される表示(価格についての表示であることから、具体的には、同条第2号(有利誤認))に該当する可能性がある(注1)。
それで、参考例として出ているのが以下。こういう表示は景品表示法違反に当たるのでダメですよという例です。
税抜価格に対して税込価格が小さいですね。これでは小さい文字を見落としてしまって9,800円というのを税込価格と誤認する可能性が高くなります。要するにこういう紛らわしい表記は禁止しているということですね。
では、実際に元々「税抜+税」という消費者のことを全く考えていない店が総額表示義務化後にどうなったかを見てみましょう。
いや税抜価格に対して税込価格小さすぎでしょ。どう考えても景品表示法で禁止されている誤認表示に値するように思えます。近くから見るとまあ見えますが、遠目に見ると税抜価格しか見えませんし。
景品表示法違反被疑情報提供フォーム | 消費者庁一応消費者庁にはこのような景品表示法違反と思われる表示の情報提供するページが有り、ここから報告も出来ますが、正直面倒なんですよねこれ。仕事してるのかもよくわからないし。
他にも最近Twitterで見たのはパソコン工房の店頭表示でしょうか。悪意しか感じないですよホントに。
こういう悪質……ではなく景品表示法違反の店って、どこを向いて商売してるんでしょうか。
個人的に税抜表示は高く感じて買わないことが多い
これは個人的な考えだと思うんですが、税抜表示だと高く感じるんですよね。というのも、先に大きな税抜価格を見ると頭にその金額がインプットされます。
その後に当たり前ですが高い税込金額を見ると、頭の中の印象である税抜価格より値上げした印象が出て高く感じることがしばしば。
飲食店などでも多いんですが、650円の定食と見てから、「+税」とか「税込715円」と見ると高く感じてやめるってのがホントに多いです。715円が高いかどうかというより、始めの印象より「値上げした」って思い込んじゃうんですよね。
最初から715円とあれば、後から感じる金額も変わらないのでそういう印象も受けないのにな……とよく思います。まあ節約になって良いんですが(?)
対消費者での商売で税抜表示をする意味は?
税抜表記ですが、企業間の取引であれば正直あまり消費税は関係なかったり(エンドユーザーに転嫁するので)するので税抜表示するのは理解できますし、今回も総額表示の対象外になっています。
しかし、小売店などでは基本的に対象はエンドユーザー(消費者)となるため、そこから転嫁することもほぼ無いので税抜表示はわかりにくいだけでメリットは何一つありません。
結局店側の都合で消費者が不都合を強いられてるだけなのではと思っています。
税込金額を大きく書く&個別の税込の合計に戻して欲しい
結局どうしてほしいかとなると、増税前のように税込価格が基本の表示方式に戻して欲しいということ。「いくら払えば良いのかわかりやすくする」総額表示なはずが、結局よくわからないようになってしまっています。
せめて、税込表示を税抜表示よりも大きく書くことを義務にという風に指針を変更して欲しいなぁという所です。
しかし「お客様が第一です」とか言いながら「税抜+税」としてたような店、嘘も大概にしてほしい。
ということで総額表示に関する愚痴を書き連ねた記事でした。
コメント