JR東日本は、首都圏で運行している「普通車グリーン車」の金額を2024年3月16日発売分から改定すると発表しました。50キロ未満では値下げとなるものの、長距離利用では大幅値上げとなる見込みです。
場合によっては特急料金より高くなる区間も発生することから、非特急停車駅を利用している人には大きな痛手となるかもしれません。
JR東日本のグリーン車の金額が50キロ未満以外は値上げへ
今回改定が発表されたのは、上図の首都圏を走る普通・快速列車のグリーン料金。今までは50キロまでとそれ以上という差と、平日料金とホリデー料金が設定されていましたが、実質的にホリデー料金が廃止となり値上げとなっています。
現行 | 改定後 | 差額 | |
50キロまで | 780円 | 750円 | -30円 |
100キロまで | 1,000円 | 1,000円 | 0円 |
101キロ以上 | 1,000円 | 1,550円 | +550円 |
現行 | 改定後 | 差額 | |
50キロまで | 580円 | 750円 | +170円 |
100キロまで | 800円 | 1,000円 | +200円 |
101キロ以上 | 800円 | 1,550円 | +750円 |
今回の改定によって値下げとなるのは平日に50キロまでを利用する人のみ。平日の100キロまでも同一額になっていますが、それ以外の人は値上げとなります。特に値上げが著しいのは土休日で、101キロ以上を利用する場合は今まで800円だったのが1,550円と倍近い大幅値上げとなっています。
また、今までの「事前料金」と「車内料金」という差ではなく、Suica(モバイル・カード)料金と紙のきっぷで金額の差が設けられるようになりました。
なおこの101キロ以上という距離ですが、大体宇都宮・高崎・熱海から上野・東京に向かうとそのくらいの距離感。隣の駅からだと100キロまでで済む場合も多いというジレンマを感じる区間です。
特急列車の方が安くなる場合も
普通車グリーン席 | 1,550円 |
特急チケットレス | 1,480円 |
普通車グリーン席の値上げによって、場合によっては特急に乗った方が早い上に料金も安くなるという区間が発生します。例えば常磐線の場合は水戸までグリーン車に乗ると117kmで1,550円となりますが、特急料金はチケットレス割引で1,480円に。
普通車グリーン席 | 1,550円 |
特急チケットレス | 1,480円 |
新幹線自由席 | 1,760円 |
東海道線の場合も東京から熱海までのチケットレス特急券は1,480円となるため、グリーン車に乗るよりも特急列車に乗った方が安価になります。さらに新幹線との差額が「210円」となるため、これなら新幹線に乗った方が良いような気までする金額です。
JREポイント交換のコストパフォーマンスが際立つようになるか
今回の改定に関して、1区間の普通車グリーン席を600ポイントで交換できるというJREポイント特典に関しては変更されないようです。そのため、JREポイントの交換先としてのグリーン券の価値がかなり高くなりそうです。
通常の乗車では600ポイント貯めるのも結構大変ですが、ビューカードなどを使用しているとあっという間に貯まる額でもあるため、ビューカードの販促などにも推していくつもりなのかもしれません。
参考リンク
首都圏の普通列車グリーン車の料金体系を見直します(JR東日本)
コメント
> 今回の改定に関して、1区間の普通車グリーン席を600ポイントで交換できるというJREポイント特典に関しては言及されていません。
リリースの最終ページに書かれてますよ。
> また、グリーン料金の見直し後も、ご利用日やご利用距離にかかわらず、これまで
と同じ 600 ポイント(600 円相当)で(JRE POINT 用)Suica グリーン券 1 枚に交換
できます。
ありがとうございます。リリース見たつもりだったのですが見落としてしまっていたようです。修正しました。