宮崎県で2食付きの温泉宿をと探していて見つけたのが、えびの高原の近くにある「加久藤温泉」でした。珍しい鯉料理が楽しめる宿で、自家源泉の天然温泉も楽しめる温泉旅館です。
宿泊したときの旅行記は上記なのですが、宮崎旅行なのに完全に鹿児島の隣のような場所を宿にしてしまったので、東西に往復することになってしまった……。
天然温泉に鯉料理が食べられる「加久藤温泉」に宿泊
本日の宿泊先は、えびの市にある「加久藤温泉」。自家源泉の温泉と養殖している鯉を食べられるのが評判の旅館です。宮崎県ではあるけども、少し行くともう鹿児島県。
場所的に車で行くのが最適解ではありますが、バス停や送迎もあるので、吉備線に乗って来ても泊まることができます。
入口の横には小さな池があって、錦鯉が悠々と泳いでいます。この錦鯉は観賞用で、食事で出てくるのは裏手にある大きな池で養殖されている普通の鯉だとか。
入り口を入るとこんな感じ。昔ながらの旅館を感じます。
浴衣はここに置いてあるので必要ならば持っていくスタイル。アメニティも部屋にはないようで、必要ならば持参かロビーでもらいましょう。
この旅館では日帰り温泉や食事対応を行っているので、1階では宿泊客以外にも出くわします。逆に2階は宿泊客専用のフロアになっているようです。
冷蔵庫は部屋に備え付けが無く、共用スペースにあるものを利用します。
部屋の前の通路。トイレも共用なので、2階もしくは1階のトイレを利用する形。
部屋はエアコン完備の和室
お部屋がこちら。1人ならゆったり過ごせる6畳の和室です。あらかじめ布団は敷かれていました。
トイレはありませんが、洗面台は部屋に設置。他にテレビやケトルなどがありました。ちなみにコンセントはテレビの脇に2つあるので、OAタップなどを用意した方が使いやすそう。
温度調整可能な一般的なエアコンが設置されているので、夏場も冬場も快適に過ごせそう。でもこういう旅館あるあるな気がするけど、廊下は空調が無いので寒い……。移動するときは羽織る物があった方がよいと思います。
鯉料理が楽しめるボリューム満点の夕食
ひと段落したら夕食を食べに向かいます。鯉を食べるのは初めてなので楽しみ。
ドリンクメニュー。全体的にリーズナブルな印象です。
こちらが夕食。今回はオプションで海老を付けたので、この旅館で食べられる一番豪華な夕食になっています。目玉の鯉を中心として、魚介類が中心となったラインナップです。ご飯はおひつじゃなかったので食べ過ぎずに済みそう。
鯉のお刺身。酢味噌でいただきます。川魚ですが臭みなどは全くなく、強い弾力のある身なのでしっかり噛み締めて食べます。初めて食べたけど思った以上に美味しい。
これは鯉の身を竜田揚げにしてあんかけにしたもの。サクサクの食感とふわふわな身、そして甘酸っぱいあんかけのハーモニーがたまりません。色々と同様のメニューは食べてきたけど、一二を争う美味しさ。
エビ。ぷりっぷりで美味しい。
こちらは前菜3点盛。食前酒と合わせていただくようです(紹介する順番が逆では)。
食前酒の梅酒。ちょっぴり飲んでみたけどジュースのような味で美味しい。でも飲み干したら後でひどい目に合いそうなので少しだけで我慢しておきました(お酒飲めないんです)。
もずくと長芋、そしてなかなか見ないブロッコリーの入った酢の物。
豚肉と野菜の味噌鍋。寒い時期に体が温まる一品です。味の濃さがちょうど良くて好き。
マスの塩焼き。身は柔らかくて思わずかぶりつきたくなります。どうしてこういう塩焼きって美味しいんだろう。
みそ汁はあら汁でした。器が大きなたっぷりサイズ。
デザートはコーヒーゼリーでした。甘すぎずに食後の口直しにはぴったり。ごちそうさまでした。
ちなみに鯉料理は宿泊しなくても食べることが可能で、今回の夕食と同じ(エビは除く)だと3,300円。刺身だけだったり刺身&あんかけで1,500円~2,500円程度のメニューもあり、2,200円以上の料理を食べると入浴が無料になる特典も。温泉と一緒に食事に来るのも良さそうです。
お風呂は自家源泉の天然温泉
ここは宿の名前が「加久藤温泉」となっていることからもわかるように、お風呂は天然温泉に入ることができます。先々代が地面を掘ったら700メートルの位置から湧き出たとのことで、源泉は42度ほどの弱アルカリ性単純温泉。
弱アルカリ性なのでいわゆる美肌の湯としてお肌もつるつるになりそう。寝る時間が遅いせいで起きてる手荒れも治ってくれないかしら(それはさっさと寝ればいい)。
温泉成分表。加水などは行わずに源泉100%の温泉ですが、次亜塩素酸ソーダでの消毒を行っているらしい。なお今の時期は寒いために加温しているけども夏場は加温なしで提供。加温なしの場合は通常350円の入浴料が200円と破格に。
入ると目の前に浴槽。旅館も併設していることからシャンプーやボディーソープなどの備え付けがあり、日帰り温泉として利用するとかなりお得かも。
タイル敷きのお風呂と岩風呂があるけど、温度が違うらしい。ぬるいお湯が良い人は岩風呂に。でもタイル敷きのお風呂もそこまで高温ではないので、まずはタイル敷きのお風呂に入ってみるのをおすすめ。泉質が弱アルカリ性ということもあって、若干のとろみを感じます。ゆったり浸かって美肌効果を狙いたい。
朝食は和食中心の定食
朝起きたらなんだか寒い。部屋の暖房が寒すぎてあんまり効いてないみたいで、ご飯食べるところも肌寒い。旅館の人が石油ストーブを持ってきてくれたので、ようやくぬくぬくして朝食です。やっぱり石油ストーブがこういう時に一番役に立つ。
朝食は焼き魚や煮物、具沢山のお味噌汁などの和食メニューが中心。朝からしっかりお腹を満たせるラインナップです。
生ハムに巻かれたレタスや、じゃこなどの入ったカルシウム豊富なサラダ。健康に気遣ってくれるのは嬉しい。
ハート形のさつま揚げ。「鯉」と「恋」を掛けているんだとか。でも中央から切ったら……。
日本の朝食という感じのラインナップが並ぶ朝食は、私自身も自らの朝食として毎日食べたいと思える内容。一人暮らしをしたらこういう朝食を毎日食べたいなと思うけど、どうせならだれか一緒に食べてくれる人が居てくれたらな。
食後はムースのデザートとコーヒー。ムースの上に乗っているゆずがアクセントになっていて美味しいムースです。コーヒーは地下水で作ったものらしく、苦みも程よくスッと飲むことができます。どんなものでも一番基本になる「水」が良いことは全てを美味しくしてくれるんだと思う。ごちそうさまでした。
食事を食べる部屋からは大きな池のある中庭を眺めることができます。湯気が立っているけども温泉が流れているわけではなく、地下水と気温の温度差で湯気が立ち上ってるんだとか。寒い日に息をはくと白くなるのと同じ現象かな。
部屋に戻る途中の通路からは、夜は暗くて見えなかったんだけどたくさんの鯉が泳いでいます。その中になんかデカいのが3匹泳いでるんですが、これはキャビアで有名なチョウザメです。
「サメ」といっても似てるからそんな名前になっているだけで、実はサメではないチョウザメ。なので鯉と一緒に泳がせていても食べられてしまう心配はありません。なんと50年も生きているんだとか。
「鯉」を食べる初めての経験を楽しめた
鯉といえば錦鯉を鑑賞したり、池でエサを入れるとめちゃくちゃ寄ってくる魚という印象で、あんまり食べるという魚とは思っていませんでした。でも今回実際に食べてみると、刺身は強い弾力で食べ応えがあるし、火を通すと柔らかいのに脂はしつこくないという上品な味。
なかなか川魚って生で食べる機会もないし、興味のある人は宿泊でも食事だけでも訪れてみてはどうでしょうか。
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